「整形外科に通っているけれど、なかなかスッキリしない」。そんなお悩みを抱えて、私たちの院をたずねる方は少なくありません。石灰沈着や脊柱管狭窄症、ヘルニアの手術後など、診断を受けたうえで鍼灸を探す方が増えています。
この記事では、鍼灸と整形外科の併用という考え方について、江東区の鍼灸整骨院グループとして分かりやすくお伝えします。どちらか一方ではなく、それぞれの役割を知って上手に組み合わせるヒントになればうれしく思います。
整形外科の診断後に鍼灸を探す方が増えている

私たちの院には、整形外科での検査や通院を経てから来院される方が多くいらっしゃいます。レントゲンやMRIで骨に異常がないと言われた方、石灰沈着や脊柱管狭窄症と診断された方、ヘルニアの手術後の方など、背景はさまざまです。
整形外科は、画像検査や血液検査で体の状態を正確に調べられる場所です。骨折や神経の圧迫、炎症の有無など、まず原因をはっきりさせることがとても大切です。
一方で、検査で大きな異常が見つからないのに、だるさや痛みが続くこともあります。こうしたとき、「このまま様子を見ましょう」と言われて、次の一歩に迷う方が多いようです。
- 画像では骨に異常なしと言われたが、つらさが残る
- 石灰沈着や狭窄症と診断され、通院しながら別の方法も探している
- ヘルニアの手術後、体のバランスを整えたい
- 薬やリハビリと並行して、できることを増やしたい
たとえば、朝起きたときに肩が上がりにくい、長く歩くと足がしびれて休みたくなる、といった日常の場面があります。病院では大きな問題がないと言われても、暮らしの中では困りごとが残るのです。
大切なのは、どちらが良いかではなく、それぞれの強みを知ることです。診断を受けたうえで鍼灸を考えることは、とても自然な流れだと私たちは考えています。
鍼灸と整形外科の併用という考え方

鍼灸と整形外科は、役割が違います。整形外科が「原因を調べ、診断し、必要な医療を行う」場所だとすれば、鍼灸は「体の状態に合わせて筋肉や巡りを整える」サポートを担います。
この二つは、どちらかを選ぶものではありません。診断は医療機関で、日々のケアは鍼灸でというように、組み合わせて考えることができます。
米国立衛生研究所(NIH)傘下の国立補完統合衛生センターは、腰痛・首の痛み・変形性膝関節症の痛み・頭痛などに対する鍼治療の有効性を示す研究があると公表しています。こうした情報も、併用を考える一つの参考になります。
併用で大切なのは、整形外科での診断内容を私たちにきちんと伝えていただくことです。情報を共有できると、無理のない施術計画を立てやすくなります。
- 整形外科で受けた診断や指示を優先する
- 服用中の薬やリハビリの内容を共有する
- 手術後は経過を主治医に確認してから始める
- 気になる症状の変化は、遠慮なく相談する
「病院に通いながら鍼灸を受けてもよいのですか」というご質問をよくいただきます。基本的には問題ないことが多いですが、治療の段階によっては時期を調整したほうがよい場合もあります。来院の際に、診察券やお薬手帳をお持ちいただくと、状況をより正確に把握できます。
鍼灸は医療の代わりではありません。あくまで、整形外科での治療と並行しながら、体を整えるお手伝いをする立場です。※感じ方には個人差があります。
鍼灸が期待されている場面とは
鍼灸は、筋肉のこわばりや血流、自律神経のバランスにアプローチするといわれています。整形外科で「骨に異常なし」と言われた痛みや、慢性的なコリに悩む方に選ばれることが多い方法です。
米メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターらの国際共同メタ分析(The Journal of Pain, 2018)では、39の臨床試験・20,827人のデータを統合解析した結果、鍼治療は筋骨格系の慢性痛・頭痛・変形性関節症の痛みに対して偽鍼や無治療より有効だったと報告されています。その効果は1年後もおおむね維持されていた(低下は約15%のみ)とされています。※すべての方に当てはまるものではありません。
- 首や肩、腰の慢性的なこわばり
- 石灰沈着の周囲の筋肉の緊張
- 狭窄症で動きにくくなった部位のまわりのケア
- 手術後に生じた体の左右差やかばい動作
たとえば、片側をかばって歩いていると、反対側の腰や足にも負担がかかります。デスクワークで同じ姿勢が続くと、肩甲骨まわりが固まって首のつらさにつながることもあります。こうした二次的な負担をやわらげることが、鍼灸に期待される役割の一つです。
初めての方は「鍼は痛いのでは」と心配されますが、髪の毛ほどの細い鍼を使います。体の状態を確認しながら進めますので、気になることはその都度お声がけください。
痛みが強いとき、しびれが増すとき、発熱をともなうときは、まず整形外科への受診をおすすめします。症状が長引く場合も、自己判断せず医療機関にご相談ください。
自宅でできるセルフケアと生活の工夫
併用を考えるうえで、日々の過ごし方もとても大切です。施術と合わせて、ご自宅での小さな習慣が体を支えます。ここでは無理なく続けられる工夫を紹介します。
冷えは筋肉をこわばらせやすいといわれています。米テキサス大学オースティン校のメタ分析(Sleep Medicine Reviews, 2019)では、就寝の1〜2時間前に40〜42.5℃のお湯で10分ほど体を温めると、寝つきが早くなり睡眠の質も高まると報告されています。
入浴は、体を整え、眠りを支える身近なケアです。シャワーだけで済ませがちな方は、週に数回でも湯船につかる時間をつくってみましょう。※感じ方には個人差があります。
世界保健機関(WHO)は成人に週150分以上の中強度の身体活動を推奨しています。一方、世界の成人の31%(約18億人)はこの推奨レベルに達していない(2022年)と報告されています。
- 1時間に1回は立ち上がって体を動かす
- 無理のない範囲で10分ほど散歩する
- 痛みが出ない姿勢で軽くストレッチする
朝晩に、肩を大きく回す運動を前後それぞれ10回ずつ行うのもおすすめです。首をゆっくり左右に倒し、各5秒ほどキープするのも手軽に続けられます。手術後やリハビリ中の運動は、必ず主治医の指示を確認してから行ってください。自己流で負担をかけないことが大切です。
長時間同じ姿勢が続くと、特定の部位に負担が集中します。座るときは浅く腰かけず、背もたれを使って骨盤を立てる意識を持ちましょう。パソコン作業では、画面の高さを目線に合わせると、首への負担がやわらぎます。こうした小さな工夫の積み重ねが、体の巡りを支えてくれます。
まとめ
ここまで、鍼灸と整形外科の併用についてお伝えしました。最後に要点を整理します。
- 整形外科は原因を調べ診断する場所、鍼灸は体を整えるサポート役
- 石灰沈着・狭窄症・骨異常なし・手術後など、診断後に鍼灸を選ぶ方が増えている
- 併用では診断内容や薬、リハビリの情報を共有することが大切
- 鍼治療は慢性痛などに有効とする研究報告があるが、感じ方には個人差がある
- 痛みが強いときや長引くときは、まず医療機関の受診を優先する
私たちは、整形外科に通われている方のお話をていねいにうかがい、無理のないケアを一緒に考えます。南砂院・塩浜院・東砂院のいずれでも、併用についてのご不安やご質問を、どうぞ私たちにご相談ください。
成竹鍼灸整骨院グループ(江東区)では、国家資格者がお一人おひとりの状態を確認しながら、無理のない身体づくりをサポートしています。お気軽にご相談ください。
参考:
世界保健機関(WHO)身体活動ファクトシート
米メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターらの国際共同メタ分析(The Journal of Pain, 2018)
米テキサス大学オースティン校のメタ分析(Sleep Medicine Reviews, 2019)
米国立衛生研究所(NIH)国立補完統合衛生センター
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