「肩や腰がつらいけれど、整骨院と鍼灸院、どちらに行けばいいの?」——そんな声を、私たちは日々の施術のなかでよく耳にします。看板に両方の名前が書かれていることも多く、違いが分かりにくいですよね。
この記事では、整骨院と鍼灸院の違いを、資格・施術内容・向いている症状の3つの角度からやさしく整理します。読み終えるころには、ご自分の状態に合った通い先を選ぶ手がかりが見つかるはずです。
整骨院と鍼灸院の違いをひとことで整理する

まず、いちばん大きな違いから見ていきましょう。整骨院と鍼灸院は、施術する国家資格の種類が異なります。
整骨院で施術を行うのは「柔道整復師」です。一方、鍼灸院で施術を行うのは「はり師」「きゅう師」という資格を持つ人です。どちらも国が認めた専門の資格です。
資格が違えば、使う手段も変わってきます。ざっくりとしたイメージは次の通りです。
- 整骨院:手技や関節の調整、電気を用いた施術などが中心
- 鍼灸院:細い鍼(はり)やお灸を使い、ツボを刺激する
つまり、整骨院は主に「手」や物理的な施術で体を整え、鍼灸院は「鍼とお灸」でアプローチする、という違いがあります。
私たちのグループのように、両方の資格を持つスタッフが在籍し、整骨院と鍼灸院の施術を同じ院で受けられる場合もあります。その場合は、状態に合わせて手段を選べるのが利点です。
名前が似ていて混同されがちですが、「担う資格」と「使う手段」が違うと覚えておくと分かりやすいでしょう。まずはこの大枠をつかんでおけば、選ぶときに迷いにくくなります。
整骨院はどんなときに向いている?

整骨院は、体を動かしたときの痛みや、日常のなかで起きたケガに向いている通い先です。柔道整復師は、骨や関節、筋肉まわりのトラブルへの対応を専門としています。
具体的には、次のような場面が思い当たる方に向いています。
- 重い荷物を持ち上げた拍子に腰を痛めた
- 段差でつまずき、足首をひねってしまった
- 長年の肩こりや首のこわばりがつらい
- デスクワークで背中や腰が固まった感じがする
こうした「動き」や「使いすぎ」に関わる不調に対して、手技や関節の調整、電気を用いた施術などで体を整えていきます。
世界保健機関(WHO)の腰痛ファクトシートによると、2020年時点で世界の腰痛人口は推定6億1,900万人にのぼり、腰痛は世界の障害原因の第1位とされています。それだけ多くの人が腰の不調を抱えているということです。
整骨院では、痛む場所だけでなく、姿勢や体の使い方まで含めて全体を見ていきます。同じ腰痛でも、原因が人によって違うためです。
ただし、しびれが強い、痛みが日に日に増す、といった場合は、まず医療機関の受診をおすすめします。整骨院はあくまで、ケガや体の不調をサポートする場と考えてください。
通いはじめは、無理のない範囲で体の使い方を見直すことが大切です。焦らず段階的に体を整えていく姿勢が、回復への近道といわれています。※感じ方には個人差があります。
鍼灸院はどんなときに向いている?
鍼灸院は、鍼やお灸を使ってツボを刺激し、体全体のバランスを整えることを得意とします。慢性的な痛みや、なんとなく続く不調に向き合いたい方に向いています。
たとえば、次のような悩みを持つ方に選ばれています。
- なかなか抜けない肩こり・首のこり
- 繰り返す頭痛
- 手足の冷えやむくみ
- 疲れが取れにくい
こうした不調に対して、鍼灸院では細い鍼で筋肉やツボにやさしく働きかけていきます。
鍼の働きについては、海外でも研究が進んでいます。米国立衛生研究所(NIH)傘下の国立補完統合衛生センターは、腰痛・首の痛み・変形性膝関節症の痛み・頭痛などに対する鍼治療の有効性を示す研究があると公表しています。
また、米メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターらの国際共同メタ分析(The Journal of Pain, 2018)では、39の臨床試験・20,827人のデータを統合解析した結果、鍼治療は筋骨格系の慢性痛・頭痛・変形性関節症の痛みに対して、偽鍼や無治療より有効と報告されました。その効果は1年後もおおむね維持されていたとされています。※すべての方に当てはまるものではありません。※感じ方には個人差があります。
「鍼は痛そう」と不安に思う方も多いですが、髪の毛ほどの細い鍼を使うため、チクッとする程度のことが多いです。初めての方には、刺激の弱い施術から始めることもできます。
体の内側からじっくり不調に向き合いたい方には、鍼灸院が合っているといえるでしょう。
自分に合った通い先の選び方
ここまでの違いをふまえ、実際にどう選べばよいかを整理します。大切なのは「今の自分の状態」に合わせることです。
- 急なケガ・ひねり・動いたときの痛み → 整骨院を検討
- 長く続く慢性的なこり・冷え・疲れ → 鍼灸院を検討
- どちらか判断がつかない → 両方の施術がある院に相談
もちろん、これはあくまで目安です。実際には症状が重なっていることも多いため、まずは相談してみることが何よりの近道になります。
- 国家資格者が施術しているかを確認する
- 通いやすい場所・時間帯かを考える
- 体の状態をていねいに聞いてくれるか
- 施術の内容を分かりやすく説明してくれるか
とくに、最初のカウンセリングで話をよく聞いてくれるかどうかは、安心して通えるかを左右する大切な要素です。
生活習慣の見直しも、通い先選びとあわせて考えたい点です。世界保健機関(WHO)の身体活動ファクトシートによると、WHOは成人に週150分以上の中強度の身体活動を推奨していますが、世界の成人の31%(約18億人)はこの推奨レベルに達していないと報告されています(2022年)。
施術に加えて、日ごろの軽い運動を組み合わせることが、体を整える助けになると考えられています。無理のない範囲で、まずはウォーキングなどから始めてみてください。
まとめ
整骨院と鍼灸院の違いを、あらためて振り返ります。
- 整骨院は「柔道整復師」、鍼灸院は「はり師・きゅう師」が施術する
- 整骨院は手技や電気、鍼灸院は鍼とお灸を使う
- 急なケガや動作時の痛みは整骨院、慢性的なこりや冷えは鍼灸院が一つの目安
- 判断に迷うときは、両方の施術がある院に相談すると安心
- 症状が重い・長引くときは医療機関の受診も検討する
整骨院と鍼灸院の違いが分かると、通い先を選びやすくなります。とはいえ、ご自分の状態を正しく見極めるのは難しいものです。
私たちは南砂院・塩浜院・東砂院で、整骨院と鍼灸院の両方の施術をご用意しています。「自分はどちらが合うのだろう」と迷ったら、どうぞお気軽に私たちにご相談ください。
成竹鍼灸整骨院グループ(江東区)では、国家資格者がお一人おひとりの状態を確認しながら、無理のない身体づくりをサポートしています。お気軽にご相談ください。
参考:
世界保健機関(WHO)身体活動ファクトシート
世界保健機関(WHO)腰痛ファクトシート
米メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターらの国際共同メタ分析(The Journal of Pain, 2018)
米国立衛生研究所(NIH)国立補完統合衛生センター
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