「腰のヘルニアと言われたけれど、この先どうケアすればいいの」「脊柱管狭窄症と診断されて、歩くのがつらい」。そんなお悩みを抱えて、私たちの院へ相談にいらっしゃる方は少なくありません。江東区の南砂・塩浜・東砂エリアでも、同じ不安を持つ40〜70代の方は多くいらっしゃいます。この記事では、ヘルニアと狭窄症の鍼灸について、診断を受けた後にご自宅でできるケアや、整骨院でできることをやさしくお伝えします。※症状の感じ方には個人差があります。
ヘルニアと狭窄症の違いを知っておきましょう

腰の痛みやしびれで整形外科を受診すると、「椎間板ヘルニア」や「脊柱管狭窄症」と診断されることがあります。名前が似ていますが、起こっていることは少し異なります。
椎間板ヘルニアは、背骨のクッションである椎間板の一部が飛び出し、近くの神経に触れる状態です。前かがみや座りっぱなしで痛みが強まることが多いといわれています。デスクワークや車の運転が多い方に見られやすい傾向があります。たとえば、床に落ちた物を拾おうとした瞬間に強い痛みが走る、という場面は典型的です。
一方、脊柱管狭窄症は、神経の通り道である脊柱管が狭くなり、神経が圧迫される状態です。特徴は「歩くと足がしびれ、少し休むとまた歩ける」という間欠性跛行です。腰を反らす動きでつらくなる方が多い傾向にあります。スーパーで買い物カートに寄りかかると楽に歩ける、という声もよく伺います。これは前かがみで脊柱管が広がりやすいためと考えられています。
一般的に、ヘルニアは比較的若い世代から、狭窄症は加齢に伴って増えるといわれています。もちろん、両方を併せ持つ方もいらっしゃいます。
大切なのは、まず整形外科で画像検査を受け、正しい診断を得ることです。画像で確認して初めて、どんなケアが向いているかが見えてきます。
世界保健機関(WHO)の腰痛ファクトシートによると、2020年時点で世界の腰痛人口は推定6億1,900万人にのぼり、腰痛は世界の障害原因の第1位とされています。腰の不調は、決してあなただけの悩みではありません。
診断を受けた後、自宅でできるセルフケア

整形外科で診断を受けた後、「痛み止めと様子見だけで不安」という声をよく伺います。手術がすぐ必要なケースを除き、日常のセルフケアはとても大切です。無理のない範囲で続けていきましょう。
痛みが強いときは、安静にしすぎず、楽な姿勢を見つけることがポイントです。ヘルニアの方は、あおむけで膝の下にクッションを置くと腰がゆるみやすい傾向があります。狭窄症の方は、横向きで軽く膝を抱えるように丸まると楽なことが多いといわれています。痛みが落ち着くまでは、長時間の立ち仕事や中腰は控えめにしましょう。
痛みが和らいできたら、少しずつ体を動かしましょう。
- 歩行:無理のないペースで1日10〜15分から。つらくなる前に休む
- 股関節のストレッチ:あおむけで片膝をゆっくり胸に引き寄せ、20秒キープ。左右2回ずつ
- お腹まわりの軽い運動:あおむけで軽くお腹に力を入れ、5秒キープを10回
- お尻のストレッチ:いすに座り、片足を反対の膝に乗せ、軽く前傾して20秒
いずれも痛みが出ない範囲で行うのが大前提です。しびれや痛みが強まる動きは、その場で中止してください。朝起きてすぐは体がこわばっているため、入浴後など体が温まった時間帯に行うと取り組みやすくなります。
「どのくらい続ければいいの」というご質問をよくいただきます。目安は毎日少しずつ、2〜3週間ほど様子を見ることです。無理に回数を増やす必要はありません。
世界保健機関(WHO)の身体活動ファクトシートでは、成人に週150分以上の中強度の身体活動を推奨しています。一方で世界の成人の31%(約18億人)はこの水準に達していないと報告されています(2022年)。動ける範囲で少しずつ体を動かす習慣が、腰を守る土台になります。※すべての方に当てはまるものではありません。
ヘルニア・狭窄症に対する鍼灸の考え方
「ヘルニアや狭窄症に鍼灸は意味があるの」というご質問をよくいただきます。鍼灸は飛び出した椎間板や狭くなった脊柱管そのものを元に戻すものではありません。ここは正直にお伝えしておきたい点です。
では何を目的にするのか。それは、痛みやしびれに伴って硬くなった筋肉をゆるめ、血流を促し、つらさと上手につきあっていくサポートです。腰やお尻、太ももの筋肉が緊張すると、神経への負担や不快感が増すことがあります。そこへアプローチしていきます。長く痛みをかばっていると、無意識に体を傾けて歩く癖がつき、別の部位に負担がかかることも少なくありません。
米国立衛生研究所(NIH)傘下の国立補完統合衛生センターは、腰痛・首の痛み・変形性膝関節症の痛み・頭痛などに対する鍼治療の有効性を示す研究があると公表しています。
また、米メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターらの国際共同メタ分析(The Journal of Pain, 2018)では、39の臨床試験・20,827人のデータを統合解析した結果、鍼治療は筋骨格系の慢性痛に対して偽鍼や無治療より有効で、その効果は1年後もおおむね維持された(低下は約15%のみ)と報告されています。※感じ方には個人差があります。
鍼灸は、整形外科での治療と対立するものではありません。診断と治療方針を踏まえたうえで、つらさをやわらげる補助的なケアとしてお役立ていただけます。
「鍼は痛くないの」「どのくらい通えばいいの」というご質問も多くいただきます。使う鍼はとても細く、チクッとする程度のことがほとんどです。通う頻度は状態によって異なりますが、はじめは週1回ほどから様子を見ることが多いです。私たちは、お一人おひとりの状態を確認しながら、刺激の強さや部位を調整していきます。鍼が初めての方にも、丁寧にご説明しながら進めますのでご安心ください。
手術後の体づくりと整骨院での関わり
ヘルニアや狭窄症の手術を受けた後、「また痛みが戻らないか心配」という方も多くいらっしゃいます。手術で神経の圧迫は解消されても、周囲の筋力は落ちていることが少なくありません。痛みをかばって動かずにいた期間が長いほど、その傾向は強まります。
手術後のケアは、主治医の許可を得てから始めることが絶対条件です。回復の段階は人によって異なります。許可が出たら、少しずつ体を整えていきましょう。
- お腹と背中の筋肉を少しずつ使う:体を支えるコルセットの役割を担う
- 長時間同じ姿勢を避ける:30分〜1時間ごとに軽く立ち上がる
- 重い物を持つときは膝を曲げる:腰だけで持ち上げない
- 就寝前に体を温める:血流を促し、翌朝のこわばりをやわらげる
家事の場面でも工夫ができます。たとえば洗濯物を干すときは、かごを台の上に置いて低い姿勢を減らす。掃除機をかけるときは、腰ではなく足を前後に動かす。こうした小さな積み重ねが腰への負担を減らします。
私たち整骨院では、手術後の体力や筋力の回復を、手技や鍼灸、必要に応じたEMSなどで段階的にサポートします。急がず、焦らず、少しずつが回復期の合言葉です。
ただし、次のような場合はすぐに医療機関へご相談ください。
- 足に力が入らない、つまずきやすくなった
- 排尿・排便のコントロールがしにくい
- 安静にしても痛みがどんどん強くなる
これらは早めの受診が必要なサインといわれています。私たちは医療機関との連携も大切にしながら、無理のない範囲でお体づくりをお手伝いします。※回復の経過には個人差があります。
まとめ
ヘルニアと狭窄症は似ているようで、起こっていることや楽な姿勢が異なります。診断を受けた後も、できるケアはたくさんあります。
- ヘルニアは前かがみ、狭窄症は反る動きでつらくなりやすい傾向がある
- まず整形外科で画像検査を受け、正しい診断を得ることが第一歩
- 痛みが落ち着いたら、歩行や軽いストレッチを無理のない範囲で続ける
- 鍼灸は硬くなった筋肉をゆるめ、つらさとつきあうサポートとして活用できる
- 手術後は主治医の許可を得たうえで、少しずつ体づくりを進める
江東区で、ヘルニアや狭窄症の痛み・しびれにお悩みの方は、どうぞ私たちにご相談ください。南砂院・塩浜院・東砂院で、お一人おひとりの状態に合わせたケアを一緒に考えてまいります。
成竹鍼灸整骨院グループ(江東区)では、国家資格者がお一人おひとりの状態を確認しながら、無理のない身体づくりをサポートしています。お気軽にご相談ください。
参考:
世界保健機関(WHO)身体活動ファクトシート
世界保健機関(WHO)腰痛ファクトシート
米メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターらの国際共同メタ分析(The Journal of Pain, 2018)
米国立衛生研究所(NIH)国立補完統合衛生センター
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