「最近つまずきやすくなった」「立ち上がるときにふらつく」――そんな変化を感じていませんか。年齢を重ねると、体の奥にある筋肉が少しずつ衰えやすいといわれています。とくに高齢者のインナーマッスルは、自力では意識しづらく鍛えにくい部分です。この記事では、深層筋が果たす役割や、ご自宅でできる鍛え方、そして自力では難しい場合の選択肢まで、やさしくご紹介します。※感じ方には個人差があります。
インナーマッスルとは?高齢者にとっての役割

インナーマッスルとは、体の深いところにある筋肉の総称です。お腹まわりや背中、股関節の奥などに広がっています。
表面から触れる大きな筋肉(アウターマッスル)とは違い、目立った動きをするわけではありません。その代わり、姿勢を保ったり、関節を安定させたりする土台の役割を担っているといわれています。
一般的に、体幹のインナーマッスルが弱くなると、次のような変化があらわれやすいといわれています。
- 立っているときの姿勢が保ちにくくなる
- ちょっとした段差でつまずきやすくなる
- 腰やひざへの負担を感じやすくなる
- 呼吸が浅くなりやすい
こうした変化は、生活の質にも関わってきます。だからこそ、深層筋を意識してケアすることが大切です。
インナーマッスルは、家でいう「基礎」や「柱」のような存在です。表面の筋肉ばかり鍛えても、土台が弱いままだと安定しにくいと考えられています。
なぜ高齢者はインナーマッスルを自力で鍛えにくいのか

インナーマッスルは体の奥にあるため、動かしている感覚をつかみにくい筋肉です。腕や脚のように「力を入れている」と実感しづらいのです。
また、加齢とともに筋肉量は少しずつ減りやすいといわれています。運動の習慣が減ると、その傾向はさらに進みやすくなります。
もうひとつの理由が、負荷の調整の難しさです。強すぎる運動は腰やひざを痛める心配があります。反対に、弱すぎると深層筋まで刺激が届きにくいことがあります。
「正しく効かせる」ことが、高齢者のインナーマッスルの鍛え方では特に重要になります。
自宅でできるインナーマッスルの鍛え方
まずは、ご自宅で無理なく取り組める方法からご紹介します。呼吸と組み合わせると、深層筋を意識しやすくなるといわれています。
- 仰向けに寝て、両ひざを立てます
- 鼻から息を吸ってお腹をふくらませます
- 口からゆっくり吐きながら、おへそを背中に近づけるイメージでお腹をへこませます
- へこませた状態で数秒キープします
体を痛める動きが少なく、はじめての方にも取り組みやすい方法です。
立つのが不安な方は、イスに座って行うと安心です。
- 背すじを軽く伸ばして浅めに座る
- 片脚をゆっくり持ち上げて数秒キープする
- 左右を交互に行う
バランスを保とうとすることで、体幹のインナーマッスルに自然と刺激が入ります。
ふくらはぎやすねの筋肉は、歩行の安定に関わります。壁や手すりに軽く手を添えて行いましょう。
運動は「痛くない範囲」で行うことが基本です。痛みやめまいを感じたときはすぐに中止してください。持病がある方は、始める前にかかりつけの医師にご相談ください。
自力で難しいときの選択肢
セルフケアを続けても、「効いているか分からない」「なかなか続かない」という声は少なくありません。深層筋は意識しにくいため、自己流では難しさを感じやすい部分です。
そうした場合の選択肢のひとつが、**EMS(電気的筋肉刺激)**を使ったアプローチです。EMSは、電気の刺激によって筋肉の収縮を促す一般的な方法です。
- 自分では意識しにくい深層筋にもアプローチしやすいといわれている
- 寝た姿勢のままでも取り組みやすい
- 関節への大きな負担をかけにくい形で行える
近年は複合高周波を用いたタイプもあり、より深い部分の筋肉に働きかけることが期待されています。※効果の感じ方には個人差があります。
私たちの院でも、お一人おひとりの体の状態を確認しながら、無理のない範囲でEMSを取り入れています。運動が苦手な方や、体を動かすことに不安がある高齢の方にも取り組みやすい方法です。
「自分では難しい」を、専門家のサポートで補うという考え方も、選択肢のひとつとして知っておくと安心です。
続けるためのポイントと注意点
インナーマッスルの鍛え方で大切なのは、強さよりも「続けること」だといわれています。
- 毎日少しずつ、短い時間から始める
- 呼吸を止めず、ゆっくり動く
- 体調の悪い日は無理をしない
- 水分をこまめにとる
また、痛みが強い場合や、しびれ・長引く不調があるときは、自己判断で運動を続けないことも大切です。まずは医療機関を受診し、体の状態を確認してもらいましょう。
運動と施術を組み合わせることで、体の使い方を整えやすくなると考えられています。ご自身に合ったペースを見つけることが、長く続けるいちばんの近道です。
まとめ
最後に、この記事の要点を整理します。
- インナーマッスルは姿勢の維持や関節の安定を支える深層の筋肉
- 高齢者のインナーマッスルは意識しにくく、自力では鍛えにくい
- ドローインやイスでの運動など、自宅でできる鍛え方から始められる
- 自力で難しいときはEMS(複合高周波)などの選択肢もある
- 痛みや長引く不調があるときは医療機関の受診を優先する
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