「長時間パソコンに向かっていると、肩甲骨のあたりが重く痛い」。そんなお悩みはありませんか。在宅ワークが増えたことで、肩甲骨まわりの不調を訴える方が私たちの院にも増えています。デスクワークで肩甲骨が痛いと感じる背景には、姿勢や動きの少なさが関わっているといわれています。この記事では、その原因と、ご自宅でできるやさしいケアをわかりやすくご紹介します。※感じ方には個人差があります。
デスクワークで肩甲骨が痛くなる主な原因

デスクワークで肩甲骨が痛いと感じるとき、多くは「動かさないこと」が関係していると一般的にいわれています。肩甲骨は本来、腕を動かすたびに背中の上をなめらかにスライドします。ところが長時間同じ姿勢が続くと、この動きがほとんど失われてしまいます。
画面を見続ける姿勢では、頭が前に出て背中が丸まりがちです。すると肩甲骨は外側に開いたまま固定されてしまいます。同じ姿勢が続くほど、肩甲骨まわりの筋肉は緊張し続けます。
具体的には、次のような生活場面が負担になりやすいです。
- ノートパソコンを見下ろす前かがみの姿勢
- 肘を支えず宙に浮かせたままのタイピング
- スマホを長時間、下を向いて見る時間
- クッション性のない椅子での長時間作業
こうした姿勢が続くと、肩甲骨の内側にある筋肉が引き伸ばされたまま張ってしまいます。血のめぐりも滞りやすくなります。その結果、重だるさやこりから、しだいに痛みへとつながっていくと考えられています。
デスクワークの合間に肩を動かせない時間が続いているなら、まずは「動かす習慣」を意識することが第一歩です。
また、運動不足も見逃せません。世界保健機関(WHO)の身体活動ファクトシートによると、WHOは成人に週150分以上の中強度の身体活動を推奨していますが、世界の成人の31%(約18億人)はこの推奨レベルに達していない(2022年)と報告されています。座りっぱなしの生活は、肩甲骨まわりのこわばりにもつながりやすいといえます。
こんなサインは肩甲骨まわりのこりに注意

肩甲骨まわりの不調は、痛みだけでなくさまざまなサインとして現れます。ご自身の状態を知る目安として、次の項目を確認してみてください。
- 両手を後ろで組もうとすると届きにくい
- 腕を上げると肩甲骨のあたりが引っかかる感じがある
- 背中の左右で、こりや張りの差が大きい
- 夕方になると肩甲骨の内側が重くなる
- 深呼吸をしたとき背中が広がりにくい
こうしたサインは、肩甲骨の動きが小さくなっているひとつの目安です。肩甲骨は「動きの少なさ」がこりのサインになりやすい部位です。
肩甲骨まわりのこりは、首や目の疲れとも関わることがあります。英アストン大学の研究者によるレビュー(BMJ Open Ophthalmology, 2018)では、パソコンなどデジタル機器を使う人のデジタル眼精疲労の有病率は50%以上と推定されると報告されています。画面を見続ける作業は、目だけでなく首から肩甲骨にかけての負担にもつながりやすいと考えられます。
なお、痛みが強い場合や、しびれをともなう場合は注意が必要です。安静にしても痛みが続くとき、腕にしびれが広がるときは、自己判断せず医療機関を受診してください。長引く不調は、思わぬ原因が隠れていることもあります。
自宅でできる肩甲骨まわりのセルフケア
ここでは、デスクワークの合間やお休み前にできる、やさしいケアをご紹介します。無理のない範囲で、痛気持ちいいくらいを目安に行ってください。※すべての方に当てはまるものではありません。
- 両手の指先を肩に軽く置きます
- 肘で大きな円を描くように、ゆっくり後ろへ回します
- 肩甲骨を背骨に寄せる意識で10回
- 反対回しも10回
1日に2〜3回、休憩のタイミングで行うのがおすすめです。
- 背筋を軽く伸ばして座ります
- 両肘を曲げ、脇を締めます
- 左右の肩甲骨を背中の中央に寄せます
- 5秒キープしてゆっくり戻す。これを5〜8回
「寄せて、ゆるめる」を繰り返すことで、肩甲骨の動きを取り戻しやすくなります。
前かがみで縮こまった胸の前を伸ばします。壁の角に手を当て、体を反対側へゆっくりひねります。左右それぞれ20秒ほど、呼吸を止めずに行いましょう。
ポイントは「痛みが出ない範囲」で行うこと。反動をつけず、ゆっくりした動きを心がけてください。
こうしたケアは、続けることで肩甲骨まわりの巡りをサポートすると期待されています。1回で無理をするより、こまめに動かす習慣づくりが大切です。※感じ方には個人差があります。
痛みを繰り返さない生活習慣の工夫
セルフケアと合わせて、日々の環境を整えることも肩甲骨まわりの負担を減らす助けになります。ちょっとした工夫で、痛みを繰り返しにくい体づくりにつながります。
- 画面の上端が目線と同じ高さになるよう調整する
- ノートパソコンは外付けキーボードで目線を上げる
- 肘が90度になる椅子の高さにする
- 30〜60分に一度は立ち上がって体を動かす
座りっぱなしを避けることは、とても大切です。WHOの身体活動ファクトシートでも、成人に週150分以上の中強度の身体活動が推奨されています。まとまった運動が難しくても、こまめに立つ・歩くだけでも肩甲骨まわりのこわばり対策になります。
入浴で体を温めることも、こわばった筋肉をゆるめる助けになると考えられています。米テキサス大学オースティン校のメタ分析(Sleep Medicine Reviews, 2019)では、就寝の1〜2時間前に40〜42.5℃のお湯で10分ほど体を温めると、寝つきが早くなり睡眠の質も高まると報告されています。湯船につかる習慣は、肩甲骨まわりの緊張をやわらげ、睡眠の質を整えることにもつながりやすいといえます。
睡眠がしっかりとれると、日中の姿勢を支える力も保ちやすくなります。「動かす・温める・休める」の3つを意識することが、肩甲骨ケアの土台です。無理なく続けられる範囲から始めてみてください。
まとめ
デスクワークで肩甲骨が痛いと感じるときは、体からの大切なサインです。今日ご紹介した内容を、ぜひ日々の習慣に取り入れてみてください。
- 肩甲骨の痛みは「同じ姿勢・動かさないこと」が関わりやすい
- 手を後ろで組みにくいなどはこりのサインの目安
- 肩甲骨まわしやよせ運動を、こまめに続ける
- デスク環境を整え、30〜60分ごとに立ち上がる
- 入浴で体を温め、巡りと睡眠を整える
セルフケアを続けても痛みが長引くとき、しびれをともなうときは、医療機関の受診もご検討ください。私たち成竹鍼灸整骨院グループ(南砂院・塩浜院・東砂院)は、江東区周辺の皆さまの肩甲骨まわりのお悩みに寄り添います。お一人おひとりの状態に合わせたケアをご提案しますので、お気軽にご相談ください。
成竹鍼灸整骨院グループ(江東区)では、国家資格者がお一人おひとりの状態を確認しながら、無理のない身体づくりをサポートしています。お気軽にご相談ください。
参考:
世界保健機関(WHO)身体活動ファクトシート
米テキサス大学オースティン校のメタ分析(Sleep Medicine Reviews, 2019)
英アストン大学のレビュー(BMJ Open Ophthalmology, 2018)
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